「耳をすませば」の原作者で有名な人気少女漫画家・柊あおいさんの同名作品を映像化した本作品は、スタジオジブリ作品の中では独特な表現方法で異彩を放つ大ヒットファンタジーアニメーション映画です。
平凡な女子高校生ハルは、下校中に偶然トラックに轢かれそうになっていた猫王国の王子・ルーンを助け出します。
その夜、猫王国から来たという猫たちがハルの元を訪れ、恩返しがしたいと言うのですが…。
主人公ハル役を「そこのみにて光輝く」などでの熱演で高い評価を得る池脇千鶴さんが、バロン伯爵を袴田吉彦さん、そして個性的な脇役たちを山田孝之さん、故・丹波哲郎、故・斎藤洋介さんという豪華俳優陣たちが見事に演じています。
宮崎駿監督に大抜擢された森田宏幸監督の明るく清々しい演出は、多くの視聴者に爽やかな感動をもたらし高く評価されました。
若い女性たちを中心に絶大な支持を得た「猫の恩返し」をどうぞお楽しみ下さい。
車に轢かれそうになっていた一匹の黒猫(山田孝之さん)を救助した女子高校生のハル(池脇千鶴さん)の元に、猫の王国から来たという猫たちがやってきました。
ハルが助けた黒猫は猫の国の王子・ルーンで、猫たちは深々と頭を下げて恩返しをしたいとお礼を言いに来たのでした。
翌日からハルの元に猫の国からのお礼の品々であるネズミやねこじゃらしが届けられるのですが、ハルは困ってしまいます。
困ったハルは猫のムタ(渡辺哲さん)に相談し、彼に紹介してもらった”猫の事務所”を訪ねます。
ハルは猫の所長・伯爵バロン(袴田吉彦さん)とカラスの相棒・トト(斎藤洋介さん)に悩みを打ち明け、猫たちの行動を止めてくれるよう助けを求めました。
どうしたものかとバロン伯爵たちが思案している最中、ハルが猫の群衆に強引に連れ去られてしまいます。
このことに気が付いたバロン伯爵たちは急いで猫の群衆を追い掛けるのでした。
ナトルと共にハルは猫王(丹波哲郎さん)が住むお城に向かいます。
城内の会場に到着したハルは、自分とルーン王子の結婚を祝うムード一色の雰囲気に驚きを隠せません。
猫王は最初からハルとルーン王子を結婚させようと計画していたのです。
焦ったハルは必至で結婚する気などないことを伝えるのですが、気付かないうちにハル自身も猫の姿になっているのでした。
歓迎会に連れてこられたハルはショックで涙を流し、心配した猫王は集まった猫たちにに彼女を楽しませることが出来る者はいないかと声を掛けます。
すると会場に紛れ込んだバロン伯爵が芸人のふりをして、ハルをダンスに誘い出しました。
踊っている最中に二人が何やらこそこそと話しているのを不審に思った思った国王は、バロン伯爵が何者なのかと問い詰めるのですが…。
強引に猫の王国に連れて来られたハルでしたが、一筋縄ではいかない猫王の魔の手から逃げ切ることは出来るのでしょうか。
それにしても声優陣が本当に素晴らしいです。
ハルを演じる池脇千鶴さんは彼女のイメージ通りのはつらつとした魅力溢れる演技で嫌みがなく、バロン伯爵役の袴田吉彦さんも低音ボイスがとても素敵ですね。
他にも山田孝之さん、故・丹波哲郎さん、故・斎藤洋介さんなどの名優たちが演じる個性的なキャラクターは興味深いです。
ハルは平凡な女子高生という設定ですが、このキャラクター設定が若い女性を中心に多くの共感を得たようです。
森田監督は彼女が抱える悩みや劣等感などはあえて詳細には描かず、なるべく明るく快活なキャラクターとして描き出すことで多くの方に親しみを感じてもらえるよう意識したとインタビューで語っています。
「猫の恩返し」は前向きに生きるエネルギーを与えてくれる、何度も繰り返し観たくなるような爽やかなファンタジー青春映画として今後も多くのファンを増やし続けていくでしょう。
