2017年に公開され、大ヒットしたミステリー映画『オリエント急行殺人事件』

原作は、“ミステリーの女王”と言われるアガサ・クリスティが1934年に発表した小説「オリエント急行の殺人」です。

監督を務めたケネス・ブラナーが、本作の主役である名探偵エルキュール・ポアロを演じ、さらにジョニー・デップジュディ・デンチペネロペ・クルスデイジー・リドリーほか超豪華キャストが競演したということで話題になりました。

真実はそれほど難しくはありませんが、登場人物が多いため、誰が、なぜ、どのようにして殺人事件を起こしたのか、というところまで把握しきれない人もいるかもしれません。

そこで今回は、「オリエント急行殺人事件(2017映画)のあらすじネタバレ結末オチも!容疑者は乗客全員で犯人は誰?」と題して、本作の結末と乗客全員の素性などを詳しくご紹介していきます!

映画「オリエント急行殺人事件」のあらすじ

女性推理作家のアガサ・クリスティが書いた不朽の名作「オリエント急行の殺人」。

あまりにも有名な作品のため、原作を読んだことがなくてもその内容と結末を知っている方もいることでしょう。

しかし、この作品の見どころは革新的なストーリ展開とポアロをはじめとする登場人物たちの奥深い心理描写です。

映画『オリエント急行殺人事件』もそのような要素がたっぷり盛り込まれた見応えのある作品となっています。

豪華列車オリエント急行の乗客

イスラエルのエルサレムにある教会で貴重な旧跡の宝飾品遺物が盗まれるという事件が発生。

これまで数々の難事件を解決してきた名探偵エルキュール・ポワロが、鮮やかな推理でこの盗難事件の犯人を突き止め、事件を解決します。

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トルコのイスタンブールで休暇を過ごそうとしていたポアロですが、急遽イギリスで起こった事件の解決を依頼する連絡が入ります。

友人であり国際寝台車会社の重役のブークの計らいもあり、豪華列車オリエント急行に乗って帰国することに。

このオリエント急行には、ポアロやブークの他、宣教師、大学教授など背景が異なる様々な人たちが乗車していました。

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オリエント急行の乗客
  • エルキュール・ポアロ( ケネス・ブラナー): 世界一の名探偵
  • エドワード・ラチェット(ジョニー・デップ): アメリカ人のギャングで富豪
  • ヘクター・マックイーン(ジョシュ・ギャッド): ラチェットの秘書
  • エドワード・ヘンリー・マスターマン(デレク・ジャコビ): ラチェットの執事
  • ピラール・エストラバドス(ペネロペ・クルス): 宣教師
  • ゲアハルト・ハードマン(ウィレム・デフォー): 教授
  • ドラゴミロフ公爵夫人 (ジュディ・デンチ):ロシアの貴族
  • ドクター・アーバスノット(レスリー・オドム・Jr):黒人医師
  • キャロライン・ハバード夫人(ミシェル・ファイファー): 未亡人
  • メアリ・デブナム(デイジー・リドリー): 家庭教師
  • ヒルデガルデ・シュミット(オリヴィア・コールマン): ドラゴミロフ公爵夫人のメイド
  • ルドルフ・アンドレニ伯爵(セルゲイ・ポルーニン):ハンガリーの貴族
  • エレナ・アンドレニ伯爵夫人(ルーシー・ボイントン):ルドルフの妻
  • ビニアミノ・マルケス(マヌエル・ガルシア=ルルフォ): 自動車のセールスマン
  • ピエール・ミシェル(マーワン・ケンザリ): オリエント急行の車掌
  • ブーク(トム・ベイトマン): 鉄道会社の重役

冬の閑散期にもかかわらず、一等車はほぼ満席

この少し奇妙な状況に、ポワロは違和感を覚えるのです...

殺人事件が発生!乗客全員が容疑者に⁉︎犯人は誰?

順調に目的地へと向かい始めたオリエント急行の車内で、ポアロは一人の男性から声をかけられます。

その男は、アメリカ人の大富豪エドワード・ラチェット

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ラチェットは何者かに命を狙われているとして、大金と引き換えに自分の警護を依頼をしますが、ポアロはこの申し出をあっさりと断ります。

そして深夜、オリエント急行は雪崩によって脱線事故を起こし、山腹の高架橋の上で走行停止の事態に!

パニックに陥った乗客たちは、いら立ちや不安を募らせますが、ブークは快適に過ごせるようにすると約束します。

しかし翌朝、車内で人が殺されていたことが判明。

殺されたのは、ポアロに身辺警護を依頼してきたエドワード・ラチェットだったのです。

体には12ヵ所もの刺し傷があり、場所によって力加減が異なっている不可解な状態でした。

医師のアーバスノットは、ラチェットの死亡推定時刻が深夜12時から2時の間と断定

列車が雪崩に巻き込まれたのは、午前0時30分頃のことなので、それ以降に列車を離れた人物はいません。

つまり、ラチェットを殺した犯人はこの列車の中にいるのです!

ブークはポアロに事件解決を依頼し、それを了承したポアロが事件解決に乗り出します。

まず初めに、ポアロたちはラチェットの部屋を捜索。

犯人の所持品と思しきものがいくつも見つかりますが、その中の一つに犯人が燃やしたと思われる手紙のかけらが!

ポアロがこれをアルコールランプの炎にかざすと、『小さなテイジー・アームストロングのことを忘れ』という文字が浮かび上がりました。

その紙がラチェット宛の脅迫状の一部であったことを突き止めると、その言葉の意味を理解します。

ラチェットの本名はカセッティといい、アメリカで起きた少女誘拐事件の犯人として疑われた人物だったのです。

殺人事件の鍵となる誘拐事件とは?

それは今から2年前のこと。

名パイロットであるアームストロング大佐の愛娘デイジーが誘拐され、身代金を支払ったのにも関わらず、何者かに殺されるという悲惨な事件が起きました。

当時妊娠していたアームストロングの妻・ソニアはデイジーの死にショックを受けて流産し、命を落としてしまいます

また、犯人だと疑いをかけられたメイドは自ら命を断ち、さらに確固たる証拠もないのにそのメイドを追い詰めた責任と世間からの非難の果てに事件を担当した検事も自死

そして当時、ポアロはアームストロング大佐から事件の捜査の依頼を受けていましたが、その手紙が届いてまもなく、アームストロング大佐は拳銃自殺をしてしまったのです。

その事件からしばらく経った後、誘拐事件を企てた一味のボスとして逮捕されたのがカセッティでした。

しかし、実行犯だという決定的な証拠がなかったためにカセッティは無罪放免となり、ラチェットという偽名を使ってアメリカを離れていたのです。

映画「オリエント急行殺人事件」のネタバレ・結末・オチ

密室となった豪華列車オリエント急行の中で起きた殺人事件。

この乗客の中に犯人がいるはずだと、その類稀なる推理力をもって事件解決に動き出したポアロを待っていたのは、「乗客全員が犯人だった」という事実でした。

ポアロと友人のブークを除く乗客全員が、悲惨な誘拐事件の起きたアームストロング家の関係者だったのです!

乗客の正体とは?

名探偵ポアロの推理によって次々と明かされる乗客たちの素性。

偶然同じ列車に乗り合わせたかのように見えた彼らの繋がりに、ポアロは驚きながらも事件の真相を暴いていくのです。

乗客の正体
  • ピラール・エストラバドス:デイジーの乳母
  • ゲアハルト・ハードマン:: 自殺したメイドの恋人
  • ドラゴミロフ公爵夫人 :デイジーの名付け親
  • ヘクター・マックイーン : メイドを自殺に追い込んだ検事の息子
  • エドワード・ヘンリー・マスターマン : アークストロング家の執事
  • ドクター・アーバスノット:アームストロング大佐の親友
  • キャロライン・ハバード夫人 : デイジーの祖母
  • メアリ・デブナム : デイジーの家庭教師
  • ヒルデガルデ・シュミット : アームストロング家の料理人
  • ルドルフ・アンドレニ伯爵:エレナの夫
  • エレナ・アンドレニ伯爵夫人:デイジーの母親ソニアの妹
  • ビニアミノ・マルケス : アームストロング家の運転手
  • ピエール・ミシェル:自殺したメイドの兄

13人全員に共通点があり、犯人だったとは驚きすよね?

もし、自分がこんな事件に巻き込まれたら...と思うと、とてもじゃないけれど正気でいられません。

しかし、この事件の真相を知れば、この犯人たちに同情してしまうかも...

オリエント急行殺人事件のネタバレ

ここからはポアロが導き出した事件の真相をご説明していきます!

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殺害されたカセッティ(ラチェット)の体につけられた傷は、アームストロング家に関わりのある人間によってナイフで刺されたもの。

ポアロとブーク以外の13人が殺害計画に関与していますが、精神状態が不安定だったエレナ・アンドレ二伯爵夫人の代わりとして、夫であるルドルフ・アンドレニ伯爵が参加したため、刺し傷が12ヵ所となっているのです。

彼らはカセッティが無罪放免となった後、自分たちの手で彼を裁くことを決意

行方をくらませていたカセッティの居場所を突き止めると、使用人としてマックィーンとエドワードが彼の元に潜り込み、オリエント急行に乗る情報を察知します。

そこで、ピエールが車掌として列車に乗り込む日に合わせてカセッティも乗車させ、全員で彼を殺害する計画を企てたのです。

オリエント急行の一等車の部屋を全て予約し、他の人を巻き込まないようにしましたが、突如そこにポアロが乗り込み、列車も雪崩で立ち往生してしまいます。

それでも彼らは犯行を中止することはぜずに、12人が一回ずつカセッティを短剣で刺し、誰が殺害したのか分からないようにしたのです。

そして全員で嘘の証言をして操作を撹乱させ、お互いにアリバイを作って警察の追及から逃れようとしていました。

しかし、名探偵ポアロの見事な推理力で、真実が見抜かれてしまったのです。

オリエント急行殺人事件の結末・オチ

事件の真相を解明したポアロは、全員を警察に突き出すことはぜず、その行末の全てを委ねてしまいます

再び走り出したオリエント急行が到着した駅で列車から降りると、ポアロは警察に車内で起こった事件について説明します。

それは、今回の事件の犯人はラチェットに恨みをもつ第三者によるもので、その犯人は列車から逃亡してしまったという内容でした。

そしてそのままオリエント急行は何事もなかったかのように駅を出発します。

するとその時、ポアロの元にエジプトのナイルで殺人事件が起きたという知らせが。

ポアロはイギリスに帰国することもなく、次はエジプトに向かうため、別の列車に乗り込んでいきました...

ここで一つの疑問が。

なぜポアロは、事件の真相を警察に説明しなかったのでしょうか?

ポアロは、これまでに解決してきた事件のような「正義と悪の境目」がわからなくなり、そのバランスが崩れてしまったことに葛藤するシーンがありました。

「善良な人たちが悪人を殺した」という事実を受け止めるまでの彼の揺れ動く感情が、ブラナーの名演技によって見事に表現されています。

仕方のなかったこととは言え、名探偵であるポアロはアームストロング大佐から頼りにされていたにも関わらず、デイジーの誘拐事件を捜査・解決することができませんでした。

加えて、今回の事件に至るまでの悲惨な出来事を止めることができなかったことを後悔していたのでしょう。

様々な難事件を華麗な推理で解決してきた名探偵らしからぬ行動かもしれませんが、人間らしい一面を見せてくれたポアロとこの胸が詰まるような結末に納得する人が多いのもうなずけます。

映画「オリエント急行殺人事件」の見どころ

豪華キャストが集結したことで注目された本作ですが、これまでになかったアクションシーンも話題となっています。

さらに、作品の臨場感を出すために今ではほとんど使われていない65フィルムで撮影に臨み、それによって映し出された高精細度の迫力のある映像世界に多くの方が魅了されたみたいですね。

観ている人を楽しませる工夫が隅々まで盛り込まれているので、結末を知っている方でも存分に楽しむことがきますよ!

まとめ

「オリエント急行殺人事件(2017映画)のあらすじネタバレ結末オチも!容疑者は乗客全員で犯人は誰?」と題して、本作の結末と乗客全員の素性などを詳しくご紹介してきましたがいかがでしたか?

乗客全員が犯人だった」という結末を知らない方にとっては、驚きの展開だったと思います。

一方、結末まで知っている方にとっては物足りなさもあるかもしれませんね。

しかし、時代を彩る俳優陣の競演によって繰り広げられる一味違うストーリー展開や、緻密な人物描写が表現されていることによって、2017年度版『オリエント急行殺人事件』も歴史に名を残す作品となったことでしょう。

この続編となる映画『ナイル殺人事件』が、2020年10月に公開される予定となっています。

そちらをご覧になる前に、ぜひ映画『オリエント急行殺人事件』をお楽しみください!